新しく家を建てるときに、基本は洋風だけど一部屋だけ和室にする、という家庭も多いです。基本的には椅子とテーブルで過ごすものの、高齢の家族がいて畳でくつろぎたいとか、子どもを遊ばせるのに畳のほうが危険が少ないなどの理由があるでしょう。
また、大人でも田舎の親戚の家に和室があって羨ましく思ったり、疲れたときに畳の部屋に寝転がりたい人もいます。マンションやアパートなども、「基本はフローリングだけど一部屋だけ和室がある」というような物件を選ぶ人も少なくありません。
ただ、日本人も和室離れをして久しいため、基本的な掃除の仕方を知らない若い人も増えています。洋室とは少し掃除の勝手も違いますので、正しい掃除の方法を覚えて清潔に保ちたいです。特に子どもを遊ばせたり、高齢の家族にくつろいでもらうためにはきれいに整えておくことが重要になります。
洋室のフローリングも、あまり水をたくさん使ってしまうと傷みが早くなりますが、和室の場合もっと水に対してデリケートです。掃除のときも水を使うのは最小限にとどめ、手早く済ませましょう。たとえば障子のサンですが、ここはホコリが溜まりやすくついつい水拭きしたくなります。
しかしここの部分はワックス加工などはされておらず、水で拭くと傷みやすい部分です。日々の掃除でははたきをつかってサンのホコリを落としましょう。今やはたきが家にない、という家庭も多いかもしれませんが、不織布の使い捨てモップや古いストッキングなどでもかまいません。
要するに静電気を使ってホコリを吸い取る道具で、木を傷めないようにして掃除します。ヤニなど汚れがひどい場合、年に何度か固く絞った雑巾で拭いてもいいでしょう。障子を張り替える際に水拭きするのがおすすめです。このような和室のメンテナンスに関して、一般社団法人日本DIY協会が運営するサイトには「柱や長押(なげし)をきれいに」という項目で清掃方法が記載されています。ぜひ一度ご覧ください。
畳は掃除機でもかまいませんが、もし掃除機に畳モードなどがあるようならそれで優しくかけます。また、畳の目にそって掃除機をかけることで、い草が傷みにくくなります。目を無視して掃除機をかけるとい草に引っかかってほつれるおそれがあるので注意です。
畳も水拭きはなるべくしないほうがいいですが、何かこぼしたり汚れがひどい場合には固く絞った雑巾で水拭きも可能です。その際、乾いた雑巾でからぶきをすることで畳のい草のダメージを最小限にすることができます。水気たっぷりの雑巾で拭いて放置しておくとい草がいたんだりかびが生えるおそれもあります。
できればからぶきをした後で扇風機などを一定時間かけ、完全に乾燥させるようにするとベターです。また、畳のへりは細かい刺繍が施されていてデリケートなものもあるので、掃除機でゴシゴシこすらないなどの気遣いも大切です。